労働災害で受領できる保険給付、損害賠償金等
労働災害に遭ってしまった場合に、受領できる保険給付、損害賠償金等としては以下のものが考えられます。
労災保険からしか給付を受けられないと考えている被災者の方も少なくないですが、受領できるものについては、漏れなく受領することが望ましいことはいうまでもありません。
受領し損ねているものがないか、ご確認頂く必要があります。
ご不明点がございましたら、お気軽に弁護士にご相談頂きましたら幸いです。
1 労災保険給付
労働災害に遭ってしまった場合に、まず最初に思い浮かぶ給付金となります。
治療費、休業損害、後遺障害の逸失利益等について、管轄の労働基準監督署長に所定の書類を提出して、給付を受けることとなります。
2 事業主(会社)からの損害賠償金
労働災害に関して、事業主(会社)に過失等が認められる場合、事業主(会社)からも損害賠償金を受領できることになります。
労災保険給付は、休業損害も後遺障害の逸失利益も損害の一部しか補填されない算定方法になっています。
また、慰謝料については、そもそも含まれていません。
そのため、労災保険給付で補填されない損害については、事業主(会社)に対して請求する必要があります。
3 私保険からの保険金
保険会社において、「労働災害総合保険」「業務災害総合保険」といった名称で、労働災害に関する私保険を販売しています。
これらの保険に、事業主(会社)が加入している場合には、保険金を請求することができます。
大別して、私保険には、以下の2種類があります。
「労災保険の上積みとなっているもの」
「事業主(会社)に過失が認められる場合にそれを塡補するもの」
4 その他
1~3以外にも、後遺障害が重度の場合には、いわゆる障害年金を受領できる場合があります。
ご自身で生命保険・傷害保険・団体信用生命保険等に加入していれば、そちらから給付を受けられることもあります。
労災保険の休業損害の認定までに時間を要する場合などには、健康保険の傷病補償給付を受領することも考えられます。
退職しているような場合には、雇用(失業)保険の給付を受けることも考えられますし、一時的に生活保護を申請することも考えられます。