ご遺族の方へ
この頁を読まれている方は、労働災害により、ご家族を亡くされた方かと存じます。
心より故人の冥福をお祈り申し上げます。
当事務所においては、労働災害の被害者およびそのご遺族の側に立ち、事業主(会社)等に立ち向かうことで、少しでもご遺族が前向きな気持ちを持って生活していくことができるようにサポートさせて頂きたいと考えております。
以下、ご遺族の方が請求できる労災保険給付、事業主(会社)への損害賠償請求、注意すべき点等について記載しましたので、ご確認下さい。
1 労災保険給付
ご遺族におかれましては、以下の労災保険給付を申請することが考えられます。
療養補償給付
治療費に関して、立て替えられたものがあれば、療養補償給付の請求ができます。
休業補償給付
労働災害後、一定期間の入院の後、亡くなられた場合であれば、休業補償給付の請求ができます。
葬祭料
葬儀を執り行った場合には、葬儀執行証明書を添付して、葬祭料を請求することができます。
遺族補償年金、遺族特別年金、遺族特別支給金
被災労働者の収入によって生計を維持していたこと、一定の親族であること、年齢要件等の条件を満たす場合には、遺族補償年金、遺族特別年金を請求することができます。これに加えて、遺族特別支給金300万円が支給されます。
遺族補償一時金、遺族特別一時金
被災労働者の遺族の中に、その者の収入により生計を維持していた遺族がいない場合には、その他の遺族が遺族補償一時金、遺族特別一時金を請求できます。
2 事業主(会社)への損害賠償請求
労災保険給付は、休業損害や後遺障害の逸失利益について、損害全体の一部のみを塡補するものに過ぎません。また、そもそも慰謝料が含まれていません。
そのため被災者の方が被った損害の填補としては不十分な内容となっています。
そこで、労災保険で塡補されない損害については、事業主(会社)に請求できる余地があります。
事業主(会社)から、「ご本人に落ち度(過失)があるため、支払えるものはない」といった説明を受けている場合でも、弁護士の視点で吟味した場合に、請求できる損害がある場合があります。
3 早期のご相談が重要!
労働災害により被災者が亡くなられたケースでは、労働災害を体験したご本人様から事故の状況を聞き取ることができません。
そのため、事業主(会社)の過失を基礎づける事情に関する証拠を確保することが、そもそも難しい状況です。
労災保険の認定時に労基署で調査した資料について、開示を受けることで、一定の事実は明らかになりますが、それでも、準備できることはしておいた方が賢明です。
したがいまして、できるだけ早期にご相談いただき、同僚等の関係者に聞き取り等を行う必要があります。
時間が経過してしまえば、同僚も退職してしまったり、他人の事故であるため記憶が薄れてしまったりする恐れがあります。